【背中を押して!と望むあなたへ】精神科に勤める私が、転職を悩むあなたへ届けたいこと

仕事にまつわるお悩み

こんにちは。精神科勤務、現役セラピストのraco.です。

日々、さまざまな悩みを抱えた患者様とお会いします。
その中でも、連休明けのこの時期特に増えているのが「仕事や転職に関する悩み」

「今の職場が辛くて辞めたいけれど、次に進む勇気が出ない」
「転職を繰り返す自分は、どこかおかしいのだろうか」

そんな切実な声に耳を傾け、一緒に伴走する中で、私自身が深く考えさせられ、見えてきたことがいくつかあります。今日は、精神科という少し特殊な視点から、「働くこと」と「心の健康を守ること」の境界線についてお話しさせてください。

転職は逃げではなく「自分を守る防衛」

患者様の中には、「今の仕事を辞めること」=「途中で投げ出すこと」「逃げである」と捉え、激しい罪悪感を抱いている方がいらっしゃいます。

しかし、精神科の現場から見れば、それは決して「逃げ」に限ったことではありません。

  • 限界を突破する前に:ストレスで不眠や食欲低下、抑うつ症状が出ている場合、環境を変えようと悩むのは、脳と体が発している「これ以上は危険」という自然な防衛サインです。
  • 環境の不一致:魚が陸では生きられないように、自分に合わない職場環境(人間関係や職種内容、労働環境)にいると、どれだけ強い人でも心を病んでしまいます。

転職を悩むということは、「自分を守りながらも、生きるために働こうとする気持ちがあるから」です。その思いがなければ悩みは生まれませんからね。

転職のことよりも、休養を考えることが最優先

「早く次の仕事を探さなきゃ」と、焦って転職活動を始めてしまい、結果的にメンタルをさらに悪化させてしまうケースが少なくありません。厚生労働省の働く人のメンタルヘルスに関する事例でも示されている通り、うつ状態などメンタルが低下している時期の重大な決断は、焦りを生み、かえって不安を増大させることがあります。

筆者が患者様との関わりの中で大切にしているのは、順番です。

  1. エネルギーの回復(休養・休職):すり減った心のエネルギーをまずは満たす。
  2. 現状の整理(客観視):何が辛かったのか、何が自分を追い詰めたのかを振り返る。
  3. 未来の選択(復職か転職か):エネルギーが戻ってから、初めて次のステップを考える。

心が疲弊しているときは、視野が極端に狭くなります。そんな状態で選んだ次の職場は、往々にして「今の職場よりマシならどこでもいい」という消去法になりがちです。まずは自分に「立ち止まること」を許可してあげることが、良い転職への一番の近道だと見えてきました。

「自己理解」を深めるチャンス

転職に悩む患者様と対話を重ねていくと、徐々にその方の「生き方の癖」や「大切にしたい価値観」が浮き彫りになってきます。

精神科での関わりは、単に症状を治すだけでなく、「自己理解(自分のトリセツ)」を一緒に作るプロセスでもあると感じています。(メンタル不調になりやすい人はトリセツが乏しい方が多い!)

自己理解の視点としては…

  • 自分の「限界ライン」を知る:どんな言葉に傷つき、どれくらいの業務量でキャパシティを越えやすいのか。
  • 自分の「心地よさ」を知る:どんな環境ならリラックスして働けるのか。

万が一、転職を失敗したとしても、「この働き方は自分には合わなかった」という貴重な学びにつながり、少しずつ「自分に合った生き方」へシフトしていくことができるでしょう。

まとめ

転職を悩めるあなたは、真面目で一生懸命な人!

精神科に来られる「転職に悩む方」の多くは、真面目で、責任感も強く、周囲への配慮を忘れない方が多いです。だからこそ、他人の期待に応えようとしすぎて、自分を後回しにしてしまったのでしょう。

もし今、この記事を読んでいるあなたも転職に悩んでいるなら、自分を責める必要はありません。

悩んでいる時間は、決して無駄ではありません。あなたがあなたらしく生きていくための、スタートラインに立っているところです。悩める人は変化する力を持っています。

一人で抱えきれないときは、ぜひ私たちのような専門家をいつでも頼ってくださいね。

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